空が高くて風も気持ちいいから、少し休みませんか?
そう言って木陰に座り込んだ貴女は、眠ってしまった。
俺の、隣で。
肩に、凭れて。
気持ち良さそうに。
俺は枕じゃあ、ないですよ。
枕なら、背中の太い木の幹でいいじゃ、ないですか。
「何故、俺の肩、なんで…」
そうは言ったものの、肩の重みは、心地いいもので。
風に靡く髪に、飽くこともない。
ただ、時が過ぎていく。
感じた事の無い、感覚。
「ほぅ…これが…」
幸せ、というもの、ですかね。
傍らの娘。
少し肩が動いたくらいでは、目を覚ます事はない。
だから…
「……」
そっと、絹の髪に、口付ける。
-END-
初代拍手お礼です。
本当は秋ぐらいの話(のはず)なんですが
今の時期にも合ってたので短編に復帰させてみました。
2010/5/2