彼女が居なければ、知ることはなかった。
モノノ怪がいつも、声を上げているということ。
モノノ怪を斬ったとき、哀しむものが居ることもあるのだということ。
モノノ怪を斬ったことに、後悔するということ。
それだけでは、ない。
人と、旅をするということ。
何かに、執着するということ。
救われるということ。
誰かが、傍に居るということ。
彼女が、傍に居るということ。
それを気に入っている自分が居るということ。
それが、呼吸することや、旅をすることや、薬を売ることや、モノノ怪を斬ることのように当たり前になっていくこと…
誰かが。
彼女が。
…さんが、傍に居てくれて良かったと思うこと。
さんが居なければ、知ることもなく通り過ぎていた。
さんが居なければ…
俺は、きっと、何も知らずに…
ただ、モノノ怪を斬るだけの日々だった。
こんな気持ちも知らずに…
-END-
前回予告通り駄文です。
やっぱり独白というか、人の気持ちは上手くかけません…。
“こんな気持ち”って一体…
次はちょっと気に入ってる幕間です、多分。
2010/5/16