女将のことを粋だと言った理由が、分からないようですね。
それは、貴女、だからですよ。
女将が選んだ黒と桜は、貴女にぴったりの色だ。
ねぇ、さん?
だから俺は、桜を、選んだんですよ。
実に、貴女らしい色。
それを真っ先に手に取った意味が、分かりますか。
きっと、分かるどころか、女将の趣向に気付きもしないんでしょう、貴女は。
そういう人だ。
だから、俺が“青を食べろ”と言った意味すら、分かっては貰えないんでしょうね。
貴女が“俺の色”だと言った青。
それがどういう意味かも、分かってもらえないんでしょうね。
まぁ、それはさておき、また可笑しな事を言っていた。
俺が、何をしていると言うのか。
何を教えているつもりもないし、何を与えているつもりでもない。
俺がモノノ怪を斬る事で、貴女は何かを感じているのかもしれないが、それは、俺が与えているものじゃあ、ない。
貴女自身が成すもの、なんですがね。
寧ろ感謝をしているのは、俺のほうなのに。
それにも、貴女は気付いていないんでしょう。
感謝、か…。
俺が、ね…。
本当に…貴女という人は…
-END-
何か変な話でしたね…
最後は短く。
2010/12/5