どどど、どうしよう!?
また、薬売りさんの耳に触ってしまいました。
気になって仕方が無い、薬売りさんの耳です。
今度は“温めて”と言われました!
あの夏の日以来です。
そして、はっきりと“これからは貴女に温めたり、冷やしてもらう”って言われました!
これって、触ってもいいってことなんでしょうか!?
構わないってことなんでしょうか!?
私、薬売りさんの耳に、触れていい…?
これまでずっと、触りたいと思ってて、でも、そんな事言えなくて。
だって、そんな恥ずかしい事言えない!
自分から薬売りさんに触れてもいいかなんて、絶対言えない。
ち、違う!
『薬売りさん』じゃない!
『薬売りさんの耳』!!
自分から薬売りさんに触れるなんて、そんなのもっと無理!!
…あ…、でも、そういうこと、なのかな?
触れても、いいってこと?
嫌だったら、そんなこと言わないよね?
もっと、薬売りさんの耳に…。
もっと、薬売りさんに…。
薬売りさんに、触れたい…。
そう思った瞬間、心臓がビクリと跳ねた。
ずっと耳が気になっていたけど、本当は、耳だけじゃなくて。
私が触れたかったのは、薬売りさん?
ううん、耳が気になってたのは本当のこと。
でも。
早くなる鼓動を、しっかりと受け止める。
そうして、思った。
あぁ、私は薬売りさんに触れたかったんだ。
薬売りさんに、近付きたかったんだ。
いつだって。
薬売りさん…。
私から触れても、いいですか…?
END
いや、季節が追い付かれている感…ですね;
2013/11/17