最近、あの子の様子が可笑しいんだ。
あの子っていうのは、ちゃんだよ。
マリちゃんって座敷童子を、薬売りが斬ってから。
何か落ち込んでるみたい。
僕らには分かるよ。
ちゃんのこと、大好きだから。
薬売りも気に入ってるみたいだけど、僕たちの方がずっとちゃんのこと気に入ってるからね。
何せ、一緒に寝てくれる、温かい人なんだから。
こんな男所帯(多分)に、飽きもせず一緒にいてくれてるんだ。
薬売りも、ちゃんの様子には気付いてるみたいだけど、何だかなぁ。
「さん、具合でも悪いんで?」
「いえ、元気です。大丈夫ですよ」
確かに食欲はなさそうだけど、ちょっと違うだろ、薬売り。
「そうですか」
「はい」
それで終わりかい、薬売り。
「何か、あったんで」
「何もありません」
そんな訳ないだろ?
どうしてそんなに頑ななんだ。
確かに薬売りは頼りにならないかもしれないけど!
「では、何故そんな顔をするんで」
「そんな…って、地顔ですけど」
薬売りー!!
「何も話しては、くれないんですか」
「だから、何もないですって」
ちゃん…。
「では、俺は薬を売りに、行きますので」
「いってらっしゃい」
ぬあー! 何それ、食い下がれよ!!
って、あ!?
何? 何で薬売り僕を置いていくの?
何? 何、その“分かってるな”的視線!?
僕にちゃんを励ませとか言うわけだ?
自分じゃどうにも出来ないから?
僕に何とかしろと!?
むむむ…。
他でもない僕らの主、薬売りの頼み。
他でもない大好きなちゃんの為。
一肌脱がせていただきます!!
-NEXT-
肌があるのか謎ですが…
性別があるのか謎ですが…
天秤さん視点、ちょっと可愛くて好きかもしれないです。
続きます。
2010/5/22